子どもと遊び
けやきホールで子どもの遊びを見守るサポーターとなって1年が過ぎました。名前シールを貼るとすぐに遊びに向かう子どもたちの姿から、子どもの成長を支える遊びの役割について日々考えさせられています。けやきホールには、子どもの年齢や体力に応じた様々な遊具やおもちゃが備えられています。
その中でも子どもに大人気なのが通称段ボールバス。ダンボールの箱にひもを通して、子どもが中に乗って、お家の方に引っ張ってもらえるようになっているものです。
段ボールバスを使った子どもの遊びを見ているとその発想や行動に驚くことがあります。ある子にとっては段ボールの箱は電車であり、またある子にとっては物語に出てくる馬車であったりするのです。乗せてもらうだけでなく、自分で引っ張ったり押したりして遊んでいる子もいます。
ある時、子どもの乗っている箱が、床のクッションに乗り上げてひっくり返ってしまいました。するとその子は「大きな波だったねー。」と大声をあげてにこにこ顔でお家の人と話をしていました。大人からすればただの箱ですが、その子にとってその箱は大海原を渡る船であり、冒険への想像をかき立てる素敵な遊び道具になっていたのです。
人間と他の動物との違いの一つに「想像する力」があると言われています。それは、今、目の前にないものを思い浮かべたり、考えたりすることができる力であり、人が社会の中で生きていく上でなくてはならない大切なものです。子どもは、遊びを通して生きていく上で必要ないろいろな力を身につけていきますが、「想像する力」もその一つです。
けやきホールは、子どもにとって遊びを通して、かけがえのない体験ができる大切な場となっています。さあ、今日はどんな遊びに子ども達は夢中になっているでしょうか。
けやきホール 担当理事 青山 博文