クリエイトニュース・アーカイブ
タイトル | クリエイトニュース39号 |
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発行日 | 2019年9月 |
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クリエイトニュース39号.pdf 21 | |
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巻頭言 | 「子ども目線」と「親目線」 |
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執筆者 | 村田 民雄 |
更新日 | 2025-05-20 14:06:22 |
巻頭言(文章) |
「子ども目線」と「親目線」京都の亀岡市で「かめおか子ども新聞」という月刊紙が発行されている。子どもたちが作る大人向けの新聞とのこと。その中の「大人の悩み相談」欄がこのほど単行本になった。「子ども悩み相談」の真逆、相談者が大人で回答者は子ども記者である。これが痛快で思わず笑いながら、その突っ込みに感心してしまった。 何例か紹介すると、①「5歳の娘が本当にいう事を聞きません」⇒回答「子どもとはそういう生き物です。親は子どもを都合よくコントロールしようとしすぎ!僕らはロボットちゃう」。②「5歳のわが子に矛盾を指摘されています」⇒回答「親って自分が言っていることとやっていることが一致してないのが問題だと思います。もう大問題。滝に打たれたりして自分を見つめ直して、心を入れ替えてください」。③「子どもの小学校受験に夢中の妻、小さい子に勉強は必要ですか」⇒回答「そんな妻アカンデ!子どもの自由を奪う悪い人だと思います。親がいろいろ決めなくとも、子どもは子どもで自分で決めます」といった調子だ。 小学生の頃はやった小話に、「ワシントンは子どものとき一所懸命勉強したからアメリカの大統領になれたんだ」という親の説教に対して、子どもは「ワシントンはお父さんのころには大統領になっていた」と反撃、親をギャフンと言わせるというのがあった。同じようなパターンなのだが、「大人の悩み相談」には現代の親子関係が映し出され、思わずわが身をふり返ってしまう。 「子ども目線」と「子どもに寄り添う」という似たような言葉がある。どちらも同じような意味合いで使われているが、この「悩み相談」を読んで大きな違いがあることに気がついた。「親目線」の相談に、回答者は「子ども目線」でやり返し、親の気づかない矛盾を指摘している。親は子ども時代に出来なかったことを子どもに押し付けていることを見抜いているのだ。 これに対して「寄り添う」は「守り・守られる」強者と弱者の関係になる。それを否定するものではないが、「子ども目線」を子育てにどう活かしていくか、親力が試される場面ではないだろうか。 広報・地域振興担当理事 |
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