クリエイトニュース・アーカイブ

タイトル クリエイトニュース43号
発行日 2021年1月
PDF  クリエイトニュース43号.pdf 38
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巻頭言 休館から見えてきたもの
執筆者 丹野 久江
更新日 2025-05-20 13:58:06
巻頭言(文章)

休館から見えてきたもの

新型コロナ感染防止のために休館となったけやきホールに立ち全館を見廻した。無音の空間だ ― 心が冷えた。オープン以来子どもを中心に来館者220万人。ここで子ども達が得たものは何だったのか、ふとこの空間いっぱいに字幕を拡げて書きたい文字が浮かんだ。「成長」。毎日子ども達は走り・跳び・叫び・挑み・失敗し・発達し・自分を見つけ自分を育てていた。ここは子どもの自分育ての絶好の空間だったのだ。

スタッフが集った。「ここへ来れない子どもはどうしているのだろう」「孤独の子育てを嘆いていた母親が気になる」。淋しい、もどかしい苦しい・・ その中で声が上がった。私たち子育て支援者は今こそ力を出すときだ。私たちがまず支え合おう。三本の矢、否一束の矢となったら何かが出来る!

人とは距離を、いや人の心の距離は、いくらでも近づける。発信者になろう。出来ること出来ないことを議論し、空間・時間の綿密な割り出し、そして内容の点検を。

発信行動開始 ― 電話で、メールで、ブログで、さあ扉を開けよう、ゆうぎしつ、けやきっずひろば・サロン(すくすく・わくわく)、育児の必須講座。
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電話相談が増え続けている。初めてという人が言った。電話は心隠さず話せてすっきりし、耳からの言葉は心の整理がしやすいことを知った。これで安心だ。

ゆうぎしつ・サロンは少人数だから一人一人と話すことが出来て親しめた。短縮時間だから間を置かず質問があり、みんなで聞き合いひとつの輪ができた。ここは顔の見える支え合いの場 ― 固まっているのは自分だけじゃない ― 安らぎの顔・顔・顔。

これからも次々と課題は出てくるだろう。でも、それに向き合う勇気が私たちの心に湧き出している。

タントクルセンター 子育てセンター長
丹野 久江