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クリエイトニュース・アーカイブ
タイトル | クリエイトニュース33号 |
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発行日 | 2017年9月 |
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クリエイトニュース33号.pdf 23 | |
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巻頭言 | 昭和の子どもからの応援歌 |
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執筆者 | 村田 民雄 |
更新日 | 2025-05-20 14:22:11 |
巻頭言(文章) |
昭和の子どもからの応援歌今から80年以上前、昭和初期の長瀞小学校で「想画教育」と「綴方教育」が同時期に実践され、全国に長瀞小の名前が知れわたっていました。ともに目の前の「生活」を題材にした教育実践です。このときの想画作品は、長瀞小学校に保管され東根市の有形文化財に指定されています。また「綴方」は、16冊の文集が保存され、今でも目にすることが出来ます。 奇跡ともいえるこの二つの教育遺産を合わせて「画文集昭和の記憶」として刊行する企画が今進められています。この編集作業の中で私たちは80年前にタイムスリップして子どもたちと向かい合っています。農業が主であった時代、子どの生活もその仕組みの中に組み込まれ、農繁期には子守りや田植えや稲刈りの手伝いなど大切な働き手でありました。 「ままかせね」という詩があります。 この詩には、家の手伝いを逃れて遊びに出たい子どもと、何とかして手伝わせたい親のかけひきが、夕食を取引材料にして描かれ笑いを誘います。また、「しかられ日記」と題した夏休みの日記には、草とりを言いつけられた子どもが「わらわら遊びに行った」が、夕方帰ってくると母親に「うさ遊び上手だな」といってなぐられる。子どもたちの遊びに対する執念は強く毎日なぐられるのを承知で繰り返すのである。この子どもたちは親に遊びを奪われたのでしょうか。親の虐待を受けていたのでしょうか。この時代の子どもたちは不幸だったのでしょうか。画文集にあふれているたくましい子どもたちの姿は、平成を生きている子どもたち、そして今を生きるすべての大人たちへの応援歌に聞こえてくるのです。 理事 |
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